【市川市】市川創業のヤマザキパン「新たに添加物を使用する宣言」に賛否両論。ほんとのところは安全なの?
ヤマザキパンが、発がん性物質では?という理由で、長らく使用していなかった小麦粉改良剤「臭素酸カリウム」を、自社製品の「角形食パン(「超芳醇」と「特撰 超芳醇」)」に使用することを発表して、話題になっています。
1。
今回使用することを決めた臭素酸カリウムとは?
臭素酸カリウムは、「食品衛生法」でパンをつくる時に限って小麦粉を改良する物として使用が認められている食品添加物。
この臭素酸カリウム、実は遺伝毒性発がん物質とされ、添加物はダメ!と批判する方々から猛反発されてきた添加物です。ヤマザキパンは、臭素酸カリウムを2014年以降は使っていませんでしたが、2020年3月15日から使用を再開した、というのが今回の話なのです。
2。
法的に使用を認められた添加物ですが、条件があります。
それは、最終的にパンとして出来上がる前に臭素酸カリウムの成分が分解または除去しなければならないということ。
つまり、添加物が製品中に残っていないことを条件に使用が認められているのです。
「発がん性物質の可能性もあるが、小麦を改良するためだけに使用し、口に入る状態でその成分が残っていなければ大丈夫」と、法律で決めたわけなんですね。
そうはいっても、お子さんに食べさせるには、かなり心配ですよね。
ポイントは次です。
3。
臭素酸カリウムが残らないよう、残存の有無を高精度で確認できるように開発した。
臭素酸カリウムについて研究を重ねて新技術を開発し、また、この添加物の残存の有無を高精度で確認できるように改善したようです。
「ほんとに成分は残っていないの?」という心配に応えたかたちですね。
自信を持って成分の残存なしパンが作れる状況に至った、ということのようです。
4。
今回、添加するのは「超芳醇」と「特撰 超芳醇」の角型食パンのみとのこと。
他シリーズの山型パンはNGなのだそう。
なぜなら、焼き方に違いがあり(角型は蓋をして焼く、山型は蓋をしない)、それにより山型食パンには残留が認められたからということです。
5。
添加物離れが増えている今、なぜあえて新たに添加物を使うのか?
ヤマザキパンの資料をみると
・やわらかさ、しっとりさが維持されるから。
・乾燥しづらくなり、しっとりとした食感と良好な香りが長く持続しするから。
要は美味しくなる、美味しさが長持ちするからということですね。
消費者モニターによるテストの結果は、全体的なおいしさ、香り、うまみなど、すべての項目で未添加の2月までの製品を上回ったそうです。
また、「無添加」とうたっている製パンメーカーについて、表示義務のない添加物を代わりに使って「無添加」としているケースもある、と異例の指摘を行ったそうです。
確かに、家庭で100%手作りでもしない限り、「無添加」商品でも市販品には表示義務のない添加物が使われている場合があり、知らずに摂取している可能性があります。
とはいえ、添加物を避けたいと考えるなら、原材料の表記を頼りにするしかないですよね。
ちなみに、今回のような添加物使用に関して公表する義務はないようで、あえて発表した会社の姿勢に信頼感を持った人も少なくない模様です。
手軽な市販品を利用せずに今の家庭の食卓は成り立たないように思います。
「安くて美味しくて長持ちする」か「添加物がなるべく入っていない安心感」を選ぶか、、
私たち一般のカスタマーは、それぞれの趣向や考え方にしたがい、どのパン(食品)を選ぶかの判断を委ねられています。
◎ヤマザキパン 小麦粉改良剤「臭素酸カリウム」による角形食パンの品質改良ついて
◎ヤマザキパン 山崎製パン総合クリエイションセンター
江戸川河川敷にある山崎製パン株式会社総合クリエイションセンター